日本語の奥深さ

ひらがなを覚える方法として「いろは歌」があります。
いろはにほへと ちりぬるを わかよたれそ つねならむ
うゐのおくやま けふこえて あさきゆめみし ゑひもせす
色は匂へど 散りぬるを 香りよく色美しく咲き誇っている花も、やがては散ってしまう。諸行無常(しょぎょうむじょう)を表す。
我が世誰そ 常ならむ この世に生きる私たちとて、いつまでも生き続けられるものではない。是生滅法(ぜしょうめっぽう)を表す。
有為の奥山 今日越えて この無常の、有為転変の迷いの奥山を今乗り越えて。生滅滅己(しょうめつめつい)を表す。
浅き夢見じ 酔ひもせず 悟りの世界に至れば、もはや儚い夢を見ることなく、現象の仮相の世界に酔いしれることもない安らかな心境である。寂滅為楽(じゃくめついらく)を表す。
「今様」という形式(七五を四回繰り返す)で、全ての仮名を1回ずつ使うという制約のもと、これだけの意味のある歌が作られたというのはすごいですね。